気づいたらあっという間に11月。段々と年末感が近づいてきましたね。 今日は”細管”と一括にざっくりとされがちだけれども、意外と奥が深いこの”細管”TBについてご紹介していきたいと思います!! 細管TBに興味があるけど、どれが良いか分からないよ!!という方もぜひ読んでいって下さい! さて、太管は.547ボア(.547/.562)の8-1/2インチ(9インチ)、バスは.562(.562/578)の9-1/2インチ(10・10-1/2)とボアとベルサイズに関しては殆ど選択肢がないのですが、細管といわれるTBでは.481/491、.485、.485/.495、.500、.500/.510、.508、.510と細いものから太いものではかなりがボアサイズが異なってきます。またベルサイズも7-3/8、7-1/2、7-3/4、8と種類が豊富です!後述しますが、ざっくりと細めで小さめのモデル(.481/.491の7-1/2ベル)をKingの2Bサイズ、太めで大きめのモデル(.508の8ベル)をKingの3Bサイズと例えることが多いです。 (厳密には古いモデルでは7インチのベルサイズや、逆にB.A.Cカスタムなど8インチより大きめのベル径だったりもっと珍しいサイズのデュアルボア(例えば.494/.507)といったものも存在するのですが、現在主流になっているのは上記の赤文字に記した通りです。) これらを踏まえた上で、現在主流となっている細管TBメーカーと各モデルをご紹介していきます! ・KING まずは細管ジャズTBといったらこのメーカー!明るく反応の良いサウンドが特徴的で、前身となるH.N.White社から数えると設立してからなんと125年以上経っている老舗メーカーです!コンパクトな2B(.481-.491の7-3/8ベル)、よりワイドな3B(.508の8ベル)の2モデルが看板モデルとなっております。またベルもイエローブラス、ゴールドブラスに加えて今では数少ないスターリングシルバー製のベルも製造しておりまして、シルバーソニックは今でも人気が高いモデルとなっております。また2B+(.500の7-1/2ベル)や3B+(.525ボアの8インチ)や3BF、3BF+などのF管付き仕様といったバリエーションの多さも魅力の一つです。 また製造年代によって同じモデルでもベルのサイズ、厚さや細部の作り等が変わっておりまして、そういった点で現行といわゆるヴィンテージといわれるものを吹いてみるのも面白いメーカーです。 ・BACH 吹奏楽やクラシックの太管テナーバスやバストロンボーン、マウスピースでもお馴染みのV.Bach。ジャズトロンボーンでももちろん古くから愛用されてきています!その昔、古くはModel6、Model 8と小さめのボアとベルサイズのラインナップも存在したのですが、現行ではModel 12(12.70mm、いわゆる.500の7-1/2ベル)とModel 16 (12.57mm/12.93mm、.485/.508のデュアルボアの7-1/2ベル)、LT16M(.508の7-1/2ベル)が存在しています。 ジャズトロンボーンといえばKINGかBACH、という方も多いのではないでしょうか。 KINGに比べると落ち着いたクラシカルでワイドなサウンドが特徴的で、吹き心地も懐が深いのが特徴的です。スリーヴ部分が無いライトウェイトスライドが標準になっている細管TBの中でも、スリーヴ有りの通常のスライドが標準仕様になっている点も特徴の一つですね!LT16Mのみニケルライトウェイトスライド仕様となっています。 KINGとBACH、吹き心地やサウンドの好みが分かれる事が多く、KING派はずっとKING、BACH吹きはずっとBACH!といったプレイヤーさんが多い印象です。 またBACHもシルバー製の銀ベル(≠銀メッキ仕上げ)を製造しているのですが、他社製のスターリングシルバー(92.5%)とは異なりスターリングシルバープラスという純度の非常に高い(99.9%)素材となっています。 ・M.Rath イギリスの誇るハンドメイドメーカー、Michael Rath社。なんといっても特徴的なのは主管に付いている”R”と独特なバランサーでしょうか。 ボアサイズの種類が多く、R1やR2,R12などといったラインナップが用意されているのですが、一番人気が高いのは.500と太めなボアサイズを持ちながら7-1/2ベルと小柄なベルサイズを持つR10です。R10を始め、Rath社製のトロンボーンは細管・太管・バストロと全てのモデル、非常に素直な吹奏感と良い意味でのコンパクトさを兼ね備えているのが特徴的です。またスライドの精度がとても良く、その滑りの良さに慣れてしまうと他のメーカーの新品のスライドでも違和感を感じてしまうほどだったり。 また見た目にも美しいサテン仕上げやベルカット、素材やテーパーを選べる主管、グースネック、スライド、マウスパイプなど奏者の好みに応じてカスタマイズ出来るのも非常に嬉しいポイントです。私も一目惚れしてR10-R(ローズブラスベル仕様)を衝動買いしたことがあります() またカスタムシリーズ譲りの良さを持つ00シリーズも出ていまして、R100-Y(.500ボア、7-1/2ベル)もR10に負けず劣らずの人気を誇っています。カスタムシリーズはポンドの為替の変動が非常に激しいこともあってオープンプライスとなっているのですが、R100は実売で20万円前半と非常にコスパが良いシリーズとなっており、カスタムシリーズはもちろん00シリーズも一度はぜひお試していただきたいモデルとなっております! ・S.E.Shires 最近Marshall Gilkes氏が公式ユーザーになったことでも更に注目が高まっているS.E.Shiresの細管トロンボーン。 MGモデル…はまだ日本に入荷してきていないのでここではまだご紹介出来ないのですが、数あるS.E.Shiresのセッティングの中でも細管で人気が高いのはJim Pugh氏が監修及び実際に愛用していた7番の7-3/4インチサイズのベルに.500ボアのニッケルライトウェイト、あるいはイエローブラス製のライトウェイトスライドを組み合わせたS7Y7.75/T00(N)LW、シグネチャーモデルであるMichael Davis Model(.495、7-1/2ベル)及びMichael Davis +Model (.508、7-3/4ベル)でしょうか。 クラシカルにもジャズにもポップスにも、ジャンルを問わずいつでもオールラウンダーに使めえる優等生!というのが特徴です。 Michael Davis氏のシグネチャーモデルは本人が元々KINGユーザーだったこともあり、KINGの反応性と明るさを生かしつつもっと幅広いジャンルで使えるように進化した印象が強いです。S7Y7.75/T00(N)LWは操作性、反応性、そして音色のバランスがとても高い位置で取られているセッティングになっていまして、僕が一目惚れして実際に買ってしまったくらいにはオススメです(2回目) ・K&H こちらも昨今の細管テナートロンボーンを語る上では外せないメーカー、ドイツのK&Hです!Ilja Reijngoud氏やBart Van Lier氏が愛用している事でも有名ですね。ヴァリアブルウェイトシステムという2つの棒形状のバランサーをお好みの位置、向きで装着することによって吹奏感や音色を弄ることが出来るのが特徴的です。また持ち手部分も持ちやすいエルゴノミックスライドの形状をしているのも特徴の一つです。.480/.488の小さめのボアサイズのBvL MKⅡ V、またそれより少し大きめの.500ボアのBvL2/500(いずれもシグネチャーモデル)が人気となっており、いずれも音程感も良く素直で癖のない扱いやすさが印象に残るメーカーです。またブロンズスライドといった仕様や、他にはない主管がスターリングシルバー製で出来ている"sst"といった仕様が存在しているのも珍しいメーカーです。 ちなみに学バンに入って初めて買った細管テナーはこちらのK&HのBvL 480/488の旧仕様、後から銀パイプを買い足したセッティングでした。今は諸事情があって手元にないのですが、今でも手元に残しておけば良かったと後悔してます…。 ・XO
台湾製ながらも高いクオリティー、コストパフォーマンスを持つXO。TB奏者として、また作編曲家としても人気が高いJohn Fedchock氏のシグネチャーモデルであるModel 1632(.500、7-1/2ベル)・Model 1634(.508、8ベル)がラインナップとして存在しています。 発表当時は20万前半で買える細管テナートロンボーンとして入門機種としての人気が高かったのですが、最近ではHR Big BandのLead奏者のGünter Bollmann氏、WDRの2nd TB奏者のRaphael Klemm氏(M.Rathも愛用)も使っているシーンを見かけたりとプロ奏者の愛用者もじわじわと増えてきている印象です! こちらのモデルの特徴としては、独特の支柱形状とグースネック側にデフォルトで寄っているバランサーの配置、そしてなんといってもウェイト的にもサウンド的にも圧倒的に”軽い”という部分です。極限まで軽く製作されたウルトラライトウェイトスライド、ベルの反応の良さはppや素早いパッセージを吹く際に非常に吹きやすいです。バリバリ力押しで吹く…といった吹き方よりは上にふんわりと乗ってリードする。そんな吹き方が適している印象です。 とここまでざっくりと説明してきましたが、他にもGetzenの3508(現在店頭在庫は切らしているのですが…)日本が誇るYAMAHAの細管テナーZシリーズのYSL-897、891、895EN(弊店では中古のみのお取り扱いとなっている)などオススメの細管トロンボーン、たくさんあります! 百聞は一見にしかず、ぜひ気になったモデルがあったらご来店して実際に試してみて下さい!新品も中古もたくさんありますよ~! TB担当 北澤 コメントの受け付けは終了しました。
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JOYBRASSJoyBrassはトランペット・トロンボーンを中心とした管楽器専門店として、プロ・アマチュアを問わずプレーヤーの方々から寄せられる様々なニーズに応えられる存在を目指しております。現代の銘器から貴重なビンテージ品、そしてお求め安い金額の楽器まで様々な品揃えを心がけており、マウスピース、楽器ケースを含めたアクセサリー類にも力を入れております。また、インターネット通販も早くから行っており、全国各地から好評を博しております。 カテゴリ
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